こんにちは。
ハナマルシェの岩沢です。
過日は−2019 はな生成 雪月花−にお越しいただき誠にありがとうございました。
私は一次展でレリーフを出瓶させていただきました。
そちらのご紹介はよろしければ、こちらの25ansブログをご覧ください。
今回は、池坊のお花の生け方のひとつ 生花(しょうか)について解説させていただきます。
池坊には大きく分けて、立花(りっか)、生花(しょうか)、自由花(じゆうか)の
3つの生け方があります。
生花(いけはな)と書いて、生花(しょうか)。
正にいけはなの真髄とも言える生け方です。
生花(しょうか)には正風体と新風体の2つがあります。
今回は私の大好きな正風体について解説していきます。
江戸時代中期、小座敷の床の間にふさわしい花として生まれた生花は、従来のいけはなや抛入花とは異なり、花留を使って草木を自立させることで、草木が生きる姿を格調高くあらわしました。
江戸時代中期から後期にかけて、立花に比べて手軽にいけられる生花は庶民の間にも流行し、風俗図などにも生花の図が見られるようになりました。また、立花は男性が嗜むものでしたが、生花は女性でもいけられる花として広く浸透しました。
江戸時代後期には生花に三つの役枝(真、副、体)が定まるとともに、生花の型が整い、明治時代になると正風体と呼ばれる規範が示されました。これにより、生花は習いやすく教えやすい花形として広く普及し、今日に至っています。
今回の掲載写真は全て先生方の作品です。
初心者は剣山(けんざん)に生けますが、こちらの作品は叉木(またぎ)に生けています。
元来は叉木に生けていましたが、時代と共に簡略化され今では剣山に生けるのが一般的です。
正風体を叉木に生けるのが、一番古典、上級の技を要します。
上記の写真は山茱萸(サンシュユ)の一種生(いっしゅいけ)です。
生花は水際(みずぎわ)がポイントになります。
器を大地に見立てて、草木が太陽に向かって真っすぐにぐんぐん伸びている姿を表現しています。
いわゆる出生(しゅっせい)の美、自然美です。
その命の出発点が水際です。
水際が一本に見える立ち位置が、作者の目線になります。
いけはなの心「花伝書」に
「数少なきは心深し」という言葉があります。
余分な花を省き、花の命を一輪に凝縮しています。
空間美、これこそがいけはなの真髄です。
初心者は中々思い切り、花や枝を省けませんが
こうして先生方の作品を拝見すると、本当に無駄がなく洗練されていることが分かります。
私もますます精進したいと思います。合掌
#生花 #正風体 #一種生 #サンシュユ #ぼけ #なでしこ